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北海道・泊原子力発電は本当に必要なの? [コラム]

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東北大震災の後に起きた、津波が原因とされている福島原子力発電所の崩壊。その後の報道など見ていると、本当に津波だけが原因だったのか。地震による何かの損壊ではなかったのか、いまだ原因がはっきりしていない。

地震の怖いのは揺れだけでなく地殻変動のほうが怖いと聞くと不安でならない。そこで最近、北海道電力(以後・北電)の元社員、水島能裕(よしひろ)さんの話しを聞ける機会があったので参加させて貰った。

私など全く電気関係、ましてや原子力についてまったく無知な者には、レジメをもらって題目を見ただけで、いささか戸惑うばかり。そこで自分が関心を持った範囲で、その内容を少々。焦点にしたのは「本当に北海道の電力は足りないのか」に絞ってみることに。水島さんは具体的な数字をもって説明してくれた。

始めに、北海道の最大電力(発電端1日の最大値)を列記してみると以下になる。
日時 最大電力(万単位) 時期
2011/01/12 578.8万kw 冬場の過去最高数値
2012/02/02 568.0万kw 今年の冬の最高数値
2006/08/09(pm2時) 507.4万kw 夏場の過去最大数値
(※・表1)

北電の設備による出力は、742万kw。そのうち原子力の依存は207万kwと、全体の28%。電力量は原発が4割というが、しかしこれにはトリックがある。泊原発をフル活動(最大限)させ、石油専焼の伊達や知内火力発電所を休ませていたから多くみえるだけ。

まだ他にある北電以外の電力(北電に卸しているなど)を見てみることに。
会社名 発電能力(万単位) 発電方式
パワーエンジニアリング 25万kw 石油火力
エコエナジー 6万kw 水力
電源開発(糠平湖、桂沢湖) 21.5万kw 水力
北海道企業局(士別・岩尾内湖) 7万kw 水力
風力 36万kw
太陽光 0.5万kw 合計96万kw
(※・表2)

もう一つ、独立発電事業者(IPP・北電へ卸している)と特定規模電気事業者(PPS・小売)を表にしてみることに。

会社名 発電能力(万単位) 発電方式 関連
日本製紙釧路発電所 8万kw 石炭 IPP
JX日鉱日石エネルギー室蘭製油所 5万kw 残渣油 IPP
新日鐵室蘭発電所 10万kw 副生ガス、石炭 IPP
三菱電機2箇所 0.2万kw 石油 IPP
出光興産 1.5万kw 石油 IPP
王子製紙苫小牧火力発電所 26.8万kw 黒液等バイオマス&重油 PPS
合計 51.5万kw
(※・表3)
上記ように、表2・3を合わせると148万kwとなる。
北電の742万kwと表2・3の148万kwをたすと890万kwになる。例え北電が泊原子力発電所を休止させ続けたとしても、890万kw-(原発分)207万kw=683万kwの発電能力はある。

表1に於いて分かるように、北海道の電力消費MAXは冬場なのだ。原子力発電所がなくともその数値さえ104万kWカバーできている。風力、太陽光、流れ込み式水力の稼働率減を引いても637万kWある。まして冬場に電力消費MAXを迎えるのは北海道だけ。どうしても足りない時は本州から送電してもらえば、北海道での電力不足は乗り越えられる。

これから先、節電に努力し、ソーラー発電や地熱発電、風力発電、北海道ならではの畜産による糞尿を利用したバイオマス発電など、原発からシフト変えしていくことは大いに可能なのだ。

終わりに水島さんは、北電が今年2012年夏に電力が足りなくなると言っているのは、北海道第2の発電能力を持つ、苫東4号機(70万kw・石炭)を、5月20日から10月にかけて定期点検と大改修するのを前提にしているからで「なぜ2月末から7月初旬でなく真夏にするのか」と、首をかしげていた。そして、それでも北海道の電力は足りると。

以上、北電の元社員、水島能裕(よしひろ)さんの話しをもとに、北海道の電力事情を綴ってみた。参加しての私の結論は、「原発」なくても電力は足りるだった。原発ありきの誘導はもう通用しない。それと、現在の北海道知事高橋はるみ氏は、経済産業省出身であることを心に留めておきたい。

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