SSブログ

おばあちゃんに教えてもらった「和顔施」のこころ [コラム]

 久ぶりに心を揺すぶられ、涙が流れてしまう番組を観させてもらった。
テレビ朝日で3月19日(火曜日)の夜8時から放送されていた「たけしの健康エンターテイメント・みんなの家庭の医学」である。

 三つのテーマの最後にあった、茨城県に住む78歳になるおばあちゃんの出来事を追っていた。おばあちゃんの口の中に発症した口内炎が、そのうち治ると放置しておいたら、いつの間にか癌化してしまい、顔の半分を取り除かないと余命一年と医師からの宣告を受けてしまった。

 そこには、おばあちゃんのことを思う家族の葛藤があった。こういう状況を考えると、どこの家族でもありえる葛藤である。心を揺すぶられたのは、お嫁さんのおばあちゃんへの気持ちと、おばあちゃんの優しさ、心配する周りへの心づかいにある。

 お嫁さんの話では、おばあちゃんは働き者で、嫁いだときから台所仕事なども丁寧に教えてくれるいつも優しいお姑さんだったそうだ。だからこそ医師から「おばあちゃんは癌です」という、むごい宣告を受けたときに、お嫁さんが苦悶している様子は、自分にも実母のことで似た体験があるので察するものがある。

 そんなおばあちゃん。本人が医師から直接、癌の宣告を受けたときはショックを隠せなかったものの、その後は周りの家族に気を使い、心配させたくない思いから笑い顔さえ浮かべる。この強いおばあちゃんをみて、これこそ究極の「和顔施」ではないかと思った。

 宗教でいう「布施」のなかにある「和顔施」は、「無財の七施」のなかのその一つなのは皆さんよくご承知だろう。瀬戸内寂聴さんが好きで、著書を何冊か読んでいるけれど、いたるところにこの「和顔施」の大切さを説いてある。

                  誰にたいしても優しい顔で相手に接する。

 しかし、これがなかなかできない。何人かの人に対し笑顔で接することはできても「誰にたいしても」というのが難しい。まして自分の体に重い病が生じ、苦しいときに本当にどんな相手にも笑顔で接することができるだろうか。

 おばあちゃんは、最新の医療(世界で日本しかない治療)で顔にできた癌をやっつけつつある。CTの写真でもはっきりと癌は5分の1に小さくなり回復にむかっていた。今後も治療を続けることのようで、一日も早い完治を祈りたい。

 それにしてもこの「和顔施」は、今の日本人が忘れてしまった“こころ”の一部分なのだろうか。笑顔で語りかける大切さを、もう一度勉強してみようと思う。

参考:http://asahi.co.jp/hospital/onair/130319.html
(たけしの健康エンターテイメント・みんなの家庭の医学)

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。